【城太郎日記】ユング心理学・カウンセリング



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ここでは、「認知の歪み」について紹介しています。
このページは、「誇大視・拡大解釈と過小評価」について。

認知の歪み

『誇大視・拡大解釈と過小評価(magnification and minimization)』




第6回 「誇大視・拡大解釈と過小評価」(magnification and minimization)


これは、物事をより大きく捉えたり、より小さく捉えたりしてしまうこと。中でも、悪いことは実際より大きく、よいことは実際より小さく、認知してしまう。

ただし、方向がいろいろあって、自分に向けられる場合や時期と、相手に向けられる場合や時期があるようです。また、自分で考える癖がないと、社会の風潮にのせられ、あるものは過小評価し、あるものは過大評価するといった場合も。

ともかく、実際のそれそのものをフェアに見ることができない状態です。


これが自分に向けられる場合、自己否定につながってしまいます。

自分のよい部分、できること、してきたこと、それら長所が過小評価され、悪い部分、できないこと、してこなかったこと、それら短所が拡大されます。なので実際より、自分は悪いとか、ダメだとか、そう決めつけてしまう。

逆に相手に対しては、よい部分を拡大して解釈し、悪い部分をあまり見なかったりする。そしてこれが、自己否定(自分なんて大したことないという気持ちの補強)に使われてしまう。

ただ、このような否定は特定の相手に向けられる場合も、あるようです。前述のとおり、社会の流れにのって、そうしてしまうことがある。なので、部分的な欠点や失敗が拡大され、利点や成功が隠されたり過小評価される。そうすると、今まで得られていたよい部分が、相手を否定し撤退させることで、無くなってしまうことも。(医療崩壊も、こういう面があるのかもしれません)


悪い部分を拡大し、よい部分を軽視するなら、同じような人でも、その人生は暗いものになりそうです。

また、相手に対しても、失敗や欠点を拡大し、成功や長所を無視するなら、同じようなことをしていても、価値の低い人にさせられそうです。

認知の歪みの恐ろしいのは、この部分。

実際が無視され、希望がないように思ってしまったり、絶望的なものだとされたりする。

同じようなものでも、考え方、見方、認知の方法次第で、大きく変わってしまうのです。

そして、マスメディアがそれを増幅すれば、とんでもないことになってしまう。(マスメディアにも、よい部分・助かる部分は、たくさんあるのですが)

しかし、逆を返せば、見方や考え方を修正し、認知の歪みが取り除かれれば、それとは逆の方向に進めるということでもあります。

というわけで、10種の認知の歪みについて解説が終わったら、その歪みの修正に、焦点を当ててみようと思います。

それまでもう少し、お付き合いください…



【追記】

デビッド・D・バーンズは、拡大解釈と過小評価を「双眼鏡のトリック」と呼んでいます。

すなわち、自分の短所に対しては双眼鏡で見るように、悪い部分を拡大する。その一方で、長所に関しては、双眼鏡を逆から覗くように、縮小して見る。このような見方を、自分や相手に対して行い、また、長所と短所で覗く方向を入れ替えてしまう。

そして、自分の生の目で見る、ということを忘れてしまいます。

さらには、このような認知の歪みを持った人が「伝える人」になった場合を考えると、いろいろと考えさせられますね…








「Catastrophizing」というサブタイプもあるようです。

これはいわば、「破局的思考」。悲惨な結末を予測します。

これも、現実を見ようとしない姿勢の、一形態。他の人から見れば「そんなことにはならないだろ〜」と思えるようなことでも、信じ、怖れてしまう。

1つのミスを拡大し、最悪の結果に至ると思い込んでしまう。

例えば、仕事でミスをした。それを拡大し、クビになるだろうと信じ込み、激しく落ち込む。客観的に見れば、そんなはずはないのに。


脱却する方法は、やはり、「確認」と「検証」だと思われます。「どうなると思い込んでいたのか」を書きだし、「実際にはどうなったのか」を記録する。

これにより、両者の間のギャップを認識します。「必ずしもそうはならないこと」に、気づいてゆく。




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2010年11月02日:作成
2015年01月23日:テンプレート変更



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