はじめに…
6.『禅とカウンセリング』
禅でいう「悟り」や「救い」は、自己体験や自己感覚から来るといわれます。
何かしらの体験をしたり、何かしらの感覚を得たり、そうやって、身に沁みることで、深く理解します。
(身に沁みてこそ、悟れます)
したがって、知識や情報のみでは、悟ることはできません。
そこに、何かしらの体験が伴なわなければ、深く心に基礎付きません。
これは知識や情報に対し、「体験知」と言えるでしょうか。
☆
禅の悟りは、「冷暖自知」だといわれます。
これは、実際に水に触れ、火に触れてこそ、その冷暖の事実をはっきりとつかめるという意味です。
(あるいは、何事も自分で体験しなければ分からない、ともいえます)
☆
カウンセリングもまた、「体験知」の世界です。
自ら苦悩や葛藤を体験し、そこから答えを導き出します。
そこに深い意味があり、それでこそ身に沁みて、心に基礎付きます。
(他人事では分からない、ともいえるでしょうか)
誰の体験でもない、自分の体験、
誰の人生でもない、自分の人生、
そこから、自分だけの「答え」、「悟り」や「救い」が生まれるのです。
だからこそ、それが身に沁みて、理解できます。
(しっかり、身に付きます)
☆
苦悩や葛藤にも意味がある、と私は考えます。
苦悩や葛藤に留まるのは、つらく苦しいことです。
しかし、悩みに悩みぬき、体験し切ったところにこそ、「悟り」や「救い」があるように思います。
残念ながら、苦悩や葛藤抜きに、その境地には辿り着けないようです。
ある意味、悩みや葛藤があるということは「悟り」や「救い」に到達するためのチケットを手にした状態である、とも捉えることが出来るかもしれません。
ただ、苦悩や葛藤に留まるのは苦しいですから、先に進んだほうがいいでしょう。
(もっとも、急ぎすぎは危険なので、注意しなくてはなりませんが)
苦悩や葛藤を通して、「どこへ行くのか?」「どうなっていくのか?」――それが「悟り」や「救い」につながるように思います。
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7.『花』
当たり前ですが、桜の木には桜の花が咲き、梅の木には梅の花が咲きます。
チューリップだって、百合だって、れんげ草だって、そうです。
人間も、案外、これと同じかもしれません。
☆
この世に生まれてきた我々は、いったいどんな花を咲かせるのでしょうか?
どんな花を咲かせるために、生まれてきたのでしょうか?
人間、なかなか自分の持つ可能性、「花」を知ることはできませんが、せっかく生まれてきたのですから、自分だけの花を咲かせたいものです。
☆
人間と植物の違いといえば、「意志」(will)の有る無しでしょうか?
(意志があるが故に、人は悩んだりしますが…)
意志を持って、行動する、
自分の意志で、自分だけの花を咲かせるように、行動する、
もちろん、そこにはリスクも努力も、葛藤も根気も伴なうわけですが、せっかく生まれてきたのですから、人間として、たった一人の個人として、自分の花を咲かせるのもいいかもしれません。
(偶然や人のことを頼りにするのではなく、意志を持て、ひと花咲かせるのも、いいかもしれません)
(…そうしていると、意味深い偶然や、何らかの人が、助けてくれるところが、人生の、不思議でもあり面白いところのように思います)
自分にしかないもの(独自性)を知り、それを花開かせる――そういうことを人生の目標の一つとして設定するのも、いいかもしれません。
(こういうことは、「個性化」であるとか、「アイデンティティーの確立」と、関連があるようです)
PS:
自分の人生を決定するのは、自分であり、自分の意志です。
仮に、人生に支配者がいるとするならば、それは神でもなく、身近な権威者でもなく、「自分」あるいは「自分の意志」かもしれません。
さてさて、どんな花が咲くでしょうか…
(我々は、既に自分の中に、何かの種を持っています)
関連記事:「個性化と松の種(1)/人間と象徴」
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8.『自分自身を大切に…』
take care of yourself
お大事に、
自分自身を大切に、
自分自身をケアしてね、
☆
実はこれ、たいへん重要で、けっこう難しくて、誰しも耳が痛い言葉だったりします。
☆
誰かのために――そう思うことは、人間の美徳のひとつだと思います。
私は、日本人らしい美しさ、だとも思っています。
でも、誰かのために、何かを成したいなら、まず、「自分」からです。
自分を大事にできたら、
自分を大切にできたら、
自分をケアできたら、
それを人に伝えることができます。
(押し付けちゃ、いけませんが)
自分が経験した、良いこと、悪いこと、
(良いことも、悪いことも)
素晴らしかったこと、危険だったこと、
(素晴らしかったことも、危険だったことも)
それを伝えられます。
(もっとも、それを聞く聞かない、使う使わない、参考にする参考にしない、を決めるのは相手です)
何より、痛みや つらさが分かります。
(だから、何も言わないかもしれません)
☆
take care of yourself
自分自身を大事にします、自分自身を大事にしてね、
自分自身を大切にします、自分自身を大切にしてね、
自分自身をケアします、自分自身をケアしてね、
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