【城太郎日記】ユング心理学・カウンセリング



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このページは、「子どもを縛る魔法の言葉」について。
「ワガママ」「自分勝手」「甘えだ」など。

『子どもを縛る魔法の言葉』



人は一番身近な存在である親から、大きな影響を受ける。それが有毒なものである場合、その後の人生にまで影響を与えることは、少なくないようです。

にもかかわらず、それに気づける人は多くない。それは、なぜなのでしょうか?


<(02) こんな言葉にダマされるな!>


子どもが疑問を持とうとした時、それを制する魔法のような言葉があります。といっても、ここでいうのは、悪い意味での魔法の言葉ですが。



 「ワガママ」「自分勝手」というブレーキ。

人は誰だって、「ワガママだ!」「自分勝手だ!」と言われると、ギクッ! としてしまいます。「わたしは、ワガママなのだろうか?」「ボクは、自分勝手なのだろうか?」と疑ってしまう。

親を無条件に信じる幼少期の子なら、なおさらのことで、「ワガママ」「自分勝手」と言われれば、そのように思い込んでしまいます。

さらにこれが繰り返されることで、(悪い意味で)身についてしまう。「きっとワガママなんだ」「自分勝手なんだ」「悪い子なんだ」と自分を責め、罪悪感という大きな荷物を背負ってしまうことも。

これでは、何も言い返せなくなってしまいます。言い返すにしても、どこか後味の悪さを感じることとなる。


でも、これ、真っ赤なウソ。相手をコントロールするための方便です。相手を思考停止させる、(悪い意味で)便利な言葉。

 → 相手を思いやらないことと、自分を大切にすることは別。
 → 健全な人は、自分も他者も、大事にする。


「ワガママ」や「自分勝手」という言葉を武器に、人を思い通りに動かそうとする人こそ、自己中心的。「ワガママ」で「自分勝手」なのです。

本当に「ワガママ」「自分勝手」な人は、関係ない人や本来要求すべきでない人に、何かを押しつけようとする人のこと。



 「甘えている!」という非難。

これも、相手を制するのに、便利に使われる言葉です。

でも、ようく観察してください。「何かにつけ『甘えだ!』と非難する人は、だいたい誰かに甘えている」のが分かります。特に、置かれた状況を無視している場合は、そう。

例えば――

 甘えだと部下を叱責する上司 → 自分が求めているように動いてほしいと、部下に甘えている。

生徒が自分の思い通りに動かないと、生徒に甘え、怒る先生や顧問もいるでしょう。自身の要求があまりに強すぎて、相手のことを考えることができていない。

親子関係でも、そう。普通は子どもが親に甘えるものなのに、親が子どもに甘えている。

(本来やるべき最低限のことをしてない時など、「甘えるな!」と言いたくなるのは分かります。けれど、そういう時は、甘え云々ではなく、具体的に何をすべきなのか話す方がいい)


そもそも、「甘え」が何か説明できるのでしょうか? イメージとしては、小さい子が親にまとわりつき、ねだっている姿が浮かびます。

そして、甘えを連発する人を観察すると、自分の思い通りにならないことに癇癪(かんしゃく)を起こしたり、いちいち誰かにまとわりついて自分の要求を満たそうとねだったり、まるで甘えん坊。年を取っていたり、ある地位についていたりするため、見えにくいですが。


性質(たち)が悪いのは、「甘え」という言葉を武器に、弱い立場の者に犠牲を強いている場合。本来あるはずの対等な立場がない時は、弱い立場の者に甘えていないか、確かめてみるといい。度が過ぎていたり、あまりに一方的だったりする場合も、注意。

「○○は甘えだ!」と主張する人で、なぜそうなのか理路整然と説明している人は少ない。結論があるだけで、理由の説明がスッポリと抜け落ちています。



 「私だって我慢してきた」

自分も耐え忍んできたのだから、おまえも辛抱しろということ。

でも、これ、単純に考えて、「なんで?」ですよね。

あなたは確かに、我慢してきた。でも、なぜ、それをわたしに強いるのか? ってこと。気の毒ではあるけれど、従う必要はない。

そんなに我慢が嫌だったのなら、我慢させた者に抗議すればいい。次世代に強いてよい言い訳にはならない。

加害者は、トンデモな我慢を強いる人。自身も加害者となり被害者を作るより、加害者に抗議した方が建設的です。





このように、相手を思考停止させ、コントロールしてしまう、(悪い意味で)魔法の言葉があります。

これは効果的なので、子どもに気づけという方が無理。

しかし、そのままでいることは、よろしくありませんよね。ある程度成長したら、「あれ?」と思い、できれば修正したいところ。


 「現状維持は、必ずしも、平和なことではない」

特に、心身の健康が害されている場合や、何度も何度も傷つけられている場合は。


 間違っているのは、「犠牲があって当たり前だ」という考えです。










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第2回「子どもを縛る魔法の言葉」(このページ)
第3回「ストレスのパターン」
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2014年9月24日:作成
2015年01月20日:テンプレートの変更
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