【城太郎日記】ユング心理学・カウンセリング



城太郎日記へようこそ♪
このページは、「人はなぜ絶望するのか?」について。
アダルト・チルドレンの意味についても。

『人はなぜ絶望するのか?』



序文


イライラ、不安などの、情緒の問題。人付き合い、学校生活や仕事などの、実際的な問題。それらを突き詰めていくと、家庭の問題が浮かび上がることがあります。

そこにあるのは、親との戦い。

知らず知らず、傷つけられていた。荷物を背負わされていたり、罪悪感に苛(さいな)まれていたり。当たり前だと思っていたけど、実は度々、ウンザリさせられていた。

このようなことに、気づいていきます。


でも、気づいたからといって、それで終わるわけではありません。そこから始る不毛な戦いに疲れ、傷ついている人も多いことでしょう。

 「なぜ、そんなことを言うの?(するの?)」
 「どうして、そっとしておいてくれないの?」
 「なぜ、分かってくれないの?」


頭を抱え、絶望の淵で、しゃがみ込んでいる人も、おられるかもしれません。


では、なぜ、そんなことになっているのでしょうか?

それは、「不毛な勝負に持ち込んでいるから」かもしれません。



<(01) 人はなぜ、絶望するのか?>


【絶望】 希望を失うこと。望みをなくすこと。まったく期待できなくなること。


ここでカギとなるのは、「状況が変わらないこと」「好転の兆しが無いこと」


雨降りがとても嫌な人が、いるとします。雨が降ると、気が滅入ってしまいます。でも、そんな人だって、雨が降ったからといって、絶望しないでしょう。たとえ何日か続いても、絶望することはない。

それは、「雨がやむことを知っているから」。いつか晴れることを、経験的に知っているから。近い将来、嫌な雨はあがる。


人が絶望する時、そこにはきっと、こんな思考があるのでしょう。

 「きっと、このまま、変わることはない」


誰かに傷つけられている時、「あの人はもう変わることはない」と思える。実際、毎度毎度、傷つけられたり、ウンザリさせられたりする。

「いつもいつも」が心身を蝕(むしば)み、人を絶望させます。


瞬間を捉えた第三者は、「そんなの大したことない」と思うかもしれない。でも、人生は、瞬間の連続。一コマでは語りつくせません。

ある人が爪でギュッと、強く押された。これは一瞬としては、大したことない出来事かもしれない。でも、毎日毎日、何度も何度も、同じ箇所にやられれば、やがて傷となり、化膿するかも。しかも、化膿した傷口に同じことをするので、事態は深刻化するかもしれない。

ある人に、気分の悪いことを言われる。これも、1回なら、大したことないかも。でも、毎日毎日言われれば、かなり堪(こた)えるはず。

生活習慣病がそうであるように、毎日毎日の積み重ねが身体を傷つけ、やがて死の危険だって…。心も同じで、たとえ些細(ささい)なことでも、習慣化されれば、バカにできないのです。


人が毎日ほぼ必ず出会う人が、家族になります。そして一番影響を受けるのが、親ということになるのでしょう。

サイト内の別ページでは、『毒になる親』という本を紹介しています。

原題は、『TOXIC PARENTS』。直訳すれば、「有毒な親」。親は一番身近な存在なので、そこに子どもを毒する要素 ―― 健康を害するもの、ためにならないもの、傷つけるもの等 ―― があれば、どうしても大きな影響を受けてしまう。

子どもは基本、親を信頼します。なので、疑いを持てない。また、罪悪感を持たされている場合も少なくないので、自身が毒されていることに、なかなか気づけません。

そして、気づいたとしても、「相手が変わらない」ので、傷が癒されることがない。


『TOXIC PARENTS』の副題には、こう書かれています。

 「Overcoming their hurtful legacy and reclaiming your life」

「hurtful」とは、有害なとか、ひどいとか、感情を傷つけること。

「legacy」は、遺産。

 「人間を傷つけるような遺産を克服し、自分自身の人生を取り戻す」

それこそが、問題解決の根源であると。










<アダルトチルドレンとは?>

アダルトチルドレンとは、「Adult Children of Dysfunctional Family」。機能不全家族で育った子どもが成人した人々のこと。分かりやすく言えば、子どもに悪影響を与える親に育てられ、大人になってからも影響を受け続けている人々のことです。

なので、「大人になりきれてない人」や「子どもっぽい人」ということでは、決してありません。むしろ、「機能不全家族で育った」という部分の方が大事。

(もともとは、「 adult children of alchoholics 」。アルコール依存症の親に育てられた人たちのこと)




なお、初めに断っておきますが、「グッバイ・ペアレンツ」とは親子の断絶や絶縁を意味するものではありません。「悪い影響から脱する」という意味。

具体的な方法を書いているわけではないし、これを読めば事態が好転するわけでもありませんが、気持ちの整理や罪悪感の脱出のヒントに一部でも役立てば、光栄です。





 「第2回 子どもを縛る魔法の言葉」>>





ページの先頭に戻る



SINCE 2004.11.16
第1回「人はなぜ絶望するのか?」(このページ)
第2回「子どもを縛る魔法の言葉」
第3回「ストレスのパターン」
第4回「戦うことをやめる」
第5回「理想的な関係」

毒になる親 目次

 RSSリーダーで購読する

 メールで購読する


最新の記事が分かります。

子どもを生きればおとなになれる―「インナーアダルト」の育て方

毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社+α文庫)

文庫 お母さんはしつけをしないで (草思社文庫)

機能不全家族(アダルトチルドレン)

母と娘の「しんどい関係」を見直す本

最近のブログ更新記事。

河合隼雄文庫


枕石漱流 日記(ユング心理学の視点から)

サブメニュー

TOPページに戻る

web拍手 by FC2   ランキングに参加してみました






2014年9月24日:作成
2015年01月20日:テンプレートの変更
ブックマークに追加する


Copyright (C) 2004〜 南方城太郎、城太郎日記 All rights reserved.

壁をブチ破れ、さすれば能力は格段に跳ね上がる!!




ブログパーツ アクセスランキング