「冗談じゃないか!」
「冗談も分からないの!」
ドロシー・ロー・ノルト/レイチャル・ハリス 著
石井千春 訳
「子どもが育つ魔法の言葉」より
<言わない方がいい言葉>
人をからかう言葉
我々は時に、からかい合います。
特に、親しい人とは、そうかもしれません。
でも、時々は、気をつけないと。
言う方は軽い気持でも、言われた方はひどく傷ついているかもしれない。
言う方は時に、「冗談じゃないか」と言うかもしれません。
それは、本当なのでしょう。
でも、言われた方にしたら、「冗談じゃない!」といった気持ちかも。
この時、言う方と言われた方の気持ちは、同じじゃないのです。
こういったギャップが理解できないと、やがて事件だって起きるかもしれません。
「ほんの冗談のつもりだった」「遊びのつもりだった」
加害者は時々、こういうことを言います。
☆
親しい人と からかい合う時でも、どこかで気は遣っているものです。
「言ってはならないことは、言わない」
「触れない方がいいようなことは、触れない」
それを守りながら、からかい合います。
車の運転でいえば、アクセルを踏んでからかい合い、盛り上がりながら、どこかでブレーキを踏み、調節しているのです。
「あ!」と思ったら、ブレーキを踏み、大事故を避けます。
それをどこで判断しているのかといえば、ひとつは「顔色」。
相手の顔を見て「あっ!」「はっ!」と思ったら、それに対応する。
時には、「ごめん」と言うかもしれない。
言わないまでも、話を変えたり、黙ったりする。
そうやって、微調整し、事故を避けます。
人の関係も、車の運転も、似ているところがある。
アクセルを踏むばかりでは、あぶない。
周囲に目を配らないのも、あぶない。
ブレーキは、うまく使うに限る。
人間関係に道路にあるような信号はありませんが、別の信号はあるようです。
そしてそれを無視すると、大事故になるかも。
(続く)