【城太郎日記】ユング心理学・カウンセリング



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このページでは、表紙の過去ログ 09年11月分
シリーズ「コンプレックス」の第30回「権威者と依存する人」を紹介をしています。

表紙過去ログ

【2009年11月】


◇「第30回 権威者と依存する人/コンプレックス」◇


(第1回〜第29回は表紙の過去ログの目次ページからどうそ)


コンプレックスは個人のみならず、人と人との関係の中でも発現するのですが、その関係の中に、権威者とそれに依存する人、という布置が存在することがあります。(あくまでひとつのケースの話になりますが)



権威者とは、実権を握る人だったり、場を仕切る人だったり。ある意味では、信頼されている人、一目置かれている人、何かと頼りにされている人。

「権威」には「他の者を服従させる」とか「支配する」とかいう意味があって、それだけとるとイメージが悪いですが、「ある面で抜きん出ている」とか「優れている」とか、「他者に認められている」とかいう意味もありますから、決して悪い面だけではありません。



上で述べたのは言葉の意味ですが、実際の人や関係を見ても、同じようなことが言えるのではないかと思います。

例えば、何らかの場を仕切る人は、それだけの実力や他者に認められるものがあるから、そうなっているのでしょう。信頼されるに足る何かがあるのだろうし、それだけの苦労や頑張りもあるのでしょう。何より、時間的な積み重ねがあるものと思われます。

パッと出てきて権威者になったのではない。頑張り、苦労し、まとめ、認められ、それで権威者になったのです。

ただ、その力が増すにしたがって、服従とか支配とか、そういう面も出てくるかもしれません。本人にはその気はなくとも、他者の目――特に場の構成者の目――にはそう映るかもしれません。そういう時があるかもしれない。

あるいは、意識的には感じなくて、けれど、心の奥の方で感じるかもしれない。

(布置がそれを作る、みたいなところもありそうだし)



ここで問題となるのは、権威者といえど「人間」であること。また、周囲にいるのも「人間」です。

人間は完全無欠ではないし、むしろ、どこか足りなくて当たり前。

つまり、信頼され、人から認められるような人も、完璧というわけではないということ。権威者も人の子、どこかに弱点なり欠点を持つものです。

そして、このHPを読んでくれている人はお分かりになると思いますが、権威者のように、頑張って何かを築き上げたような人ほど、弱点なり欠点なりを持つものなのです。頑張った分、人より濃い欠点を持っていたりする。

ひとつの道に突き進んだ人は、その道の逆側・逆方向に対しては不慣れで、そこが弱点になったり、欠点になったりするものです。(この辺は、タイプ論エニアグラムの記事に書いてあります)

そう考えると、権威者といえど弱点を持つことが御理解いただけたでしょうか? もちろん、周囲の人だって人の子で、欠点なり弱点を持つんですけどね。



今度は権威とは反対の方向を考えてみましょうか。

権威者ができるということは、それを頼りにする人がいるということなんでしょう。あるいは、依存する人と言ってもいいかもしれません。

権威とは人の間で生じるもので、ひとりきりでは生じませんよね。また、人がいても、それを認めなかったり、頼りとしなければ、権威は生じないでしょう。



この、権威と依存の関係、「自立」という意味ではイメージが悪いかもしれませんが、「安定」という意味では、また違ってきます。

特に、安定を得なければならないような時期には、必要となるのではないでしょうか?

極端な例を挙げれば、赤ん坊は頼りになる人なしでは生きてゆけません。小さい子は、養育者に依存しなければ、生活できないでしょう。

そして、例え赤ん坊や小さな子でなくても、何らかの集団が安定を築くまでは、頼りになる存在が必要で、そういう意味では、権威者が必要になってくると。そういえるのではないでしょうか? 引っ張ってゆく人が、必要だったりするでしょ?



ところが、安定を築いたあとは違ってきますよね。次のステップに進まなければならなくなってくる。

安定したならそのままでいいじゃないか! と言いたいところなのですが、先にも書いたように、人や集団が何かを成し遂げるということの裏には、何か欠けたものが存在するものなのです。

今度は、それに気づくことになるんですね。気づかされることになる。



その気づきに関係するのが、時に「困った人」や「問題があるとされる人」だったりするのですが、それは後の記事で…









(続きは「次の仕事と卒業」に…)





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